私の不思議体験記

第五話 自分の能力の過信と欲望が身を滅ぼす

私は、学生当時の頃は、霊視や予知能力よりも、透視能力の方が強く現れていました。
この話は、私の少年時代のお話から切り出していますので、私と同世代の方などは、この時代の現況は良く把握できると思います・・・

自分に透視能力があるのがわかったのは、小学の三年から六年位の頃でした (以前からあったのかも知れませんが) 。
当時、コカコーラがガラス容器でして、夏にキャッシュバックキャンペーンをやっているときの話でした。
兄貴の強制と思われる勧誘で一緒に近くの中心街を流れる平沢川沿いの酒屋へ現金目当ての目的で行ったのです・・・お恥ずかしいながら・・・

当時、コーラは60円位だったと記憶してます。兄貴と当たりのコーラを選ぶときに、兄貴は冷えているコーラを冷蔵庫から選んだのですが、私は何故かコーラの頭が白く光るコーラがあるのが奥のコーラケースに入っているのがわかり、何故か不思議なので冷えていないのにそのコーラを買ったのです。
兄貴は当然冷えたのを買って、その場で栓を開けてもらって帰りに歩きながら飲みました。私のは冷えて無いので飲むわけにもいかず歩きながら不思議なコーラの 白く光る栓を良く見てみたら・・なんとなく『500』の文字が頭に浮かびます。

家に帰り、そのコーラを冷やしてから午後4時位に開けてみたら・・ななーんと『500円』の大当たりだったのです。
コーラのキャップは、ビール瓶と同じで、ギザギザの金属製の王冠になっていて、キャンペーン期間中のものは、その王冠が二重構造になっていて、王冠のウラが密封の為のビニールになっていて、その部分を釘のようにとがったもの(当時は事務用品で「せんまいどうし」とか言ってたものです)を刺してはがすと、王冠のウラに当たりだと金額が書いてあるのです。
500円キャンペーンの欲に眼がくらみ、言い出しっぺは兄貴だったのに、私もかなりの欲が出てきました。なんつってもコーラが60円の時代・・学生にとっての500円は大金でした。当時の私のおこずかいは一日20円でしたから、一本で三日分のおこづかいの浪費になります。

即、換金してもらう為にその酒屋に二人で戻り・・私一人が現金と交換に行けばいいのに、なんで二人なんだろねー・・兄貴の心の中が見え見えでしたが、一人で酒屋にへも行けぬシャイの私には酒屋に足を運ぶのは大冒険でした。
しぶしぶお店のおばさんが換金してくれて、今度は『どれにする!!』と眼が光る兄貴・・まるでアニメの巨人の星・・・目が燃えちょる・・
言われるがままに、また探しました・・結構時間がかかり次から次へと奥のコーラケースのコーラに目を通すものの・・今度は『50』とか 『30』とか『もう一本』しか見えません。
60円も投資して、もう一本や、30円、50円では元が取れません。『コーラが飲みたくて来たんじゃなーい』と心の叫び。
『おばちゃん、もう当たりが30円とか50円のコーラしか無いので、他にコーラ無いの』と言ったら『そんな事無いですよ、まだ沢山ありますよ。』と言った。これ じゃあ・・有ると無いでおばちゃんとの口論となり、その根拠も出せないので無意味なので引き上げるしか無い。奥の倉庫には、「キャンペーン前の古いコーラしか無い」って事で、その日は500円ゲットだけで終わりました。

兄貴は自分のはスカだったクセに、『喜びは分かち合うもの』などとクサイセリフに負け、シブシブ山分けしました。なーんか私は一方的に利用されているようです。

翌日も、兄貴の目は燃えたままです。
今度は、通学路の途中にある神社のそばの違う酒屋に行きました。例によって兄貴が『どれにする』って言います。一生懸命探したら、 『30』『50』が多い中に 『100』と書いてあるものを発見し、ゲットしました。また儲けの山分けの話になりましたら・・「50円よこせ」と言います。

へっそんなバナナ・・・昨日の250円から60円のコーラ代出したのが僕で、なんで50円やらなきゃなんねんー。今考えてみたら当たり金額100円－投資金額60円の40円の山分けですからどー考えても20円のはず・・。『どうしてそうなるん』と怒って言うと、そしたら兄貴が 『そのコーラはおまえが買って、おまえが飲むんだから当然じゃん』ゲゲッ・・・そんな理由が世の中通用すんのか、だからコーラが飲みたくてやっとるんじゃ無いんでしょ・・
つまり、僕にとっては50円－60円で、当たりを引いているのにもかかわらず10円の損。この欲深さの兄貴が執念深く僕にむさぼりついてしまったので、『もう大当たりが無いんならしょうがないから30円のや50円のも買え』とか、しまいに言いいだすので、僕の軍資金は直ぐに底をつき、まったく投資せずに絶対に損することの無い兄貴は有頂天。お店の前のベンチには蓋をとったコーラが沢山並びまさに異様な光景そのものでした・・・

直ぐに、この500円コーラ全部ゲット作戦は、『僕のもうおこずかいが無い』と言う資金切れでいつのまにか、そのコーラのキャンペーンは終わってしまったのです。今思ってもなんつー兄貴じゃ・・・
おまけに【おまえ一は無駄遣いばかりする】とか親父からのお叱りつきです。
また更に、１０本近いコーラを一人で一気に飲む羽目になって、しばらく健康を害したのも言うまでもありません。

しばらく、その私の透視能力は自分自身忘れていたのですが、結婚して、その家内がディズニーやサンリオのキャラクターグッズが超好きなので、デパートに一緒に付き合ってあげたら、サンリオのショップがキャラクターグッズのクジをやっていました。眼が燃える家内・・・なんか昔の嫌な予感が蘇る・・・

「冗談じゃないよぉー」とか言ってて、クジを見てみたらなんか光っている三角くじが見えました。脳裏に『1等』が浮かびます。えいやあで買ってみたら、ななーんと一等大当たり・・賞品はなんだったかなぁーキテイだかケロッピのバスタオルか小物入れなんかで私には全然面白くもなんともなかったのですが、家内は大喜び。

『もっとやって・・』とかう言うので、やってみたら次は特賞でラジカセでした。賞品には興味ないものの自分でも「こりゃスゴイ」と思いました。
病み付きになる私と家内・・店員からはおぞましさを感じました。結果は、一等二等と特賞を全てゲットして、持てないほどになったので大きなダンボール箱に入れてもらい持って帰りました。

帰路は、車の中でその昔から感じていた不思議な透視能力の話でした。しかーし、家に帰るやいなや、『こういうのって興味無いでしょ』って事で賞品は全部家内と子供のものに・・・てめー。良く考えて見たら、クジの投資も全部私のおこずかいから出してるではあーりませんか・・・それって兄貴よりひどいじゃ無いですかーい。私って一生誰かに食い物にされる宿命をしょってしまっているのか?

コーラの時期から時間が経つと、そのツケの利子も膨らむのか?
調子ずいた家内は、その機会に他のお店が無いかどうか104に電話かけまくり、毎週の休みにサンリオやディズニーグッズ売り場のクジ目当てに車でアッシーにされた上に、軍資金は全額私の支払い・・いいように使いまわされたのは言うまでもありません。

サンリオは常にクジを行っており、シーズン置きに一回500円のジャンボクジ、普段は300円のファンシークジをやっていました。家内の狙い目は無論ジャンボクジ。

おかげで、県内のいろいろなクジを取り扱っているところをたらいまわしにされ、ラジカセ、コンポ、サウンドキーボート、ギター、ボート、花木、炊飯器、オーブンなどなど色々なものをゲットしました。喜んでいるのは家内だけ・・・これって、現金収入じゃないから私には 辛すぎます。

なぜなら、パシリされて、休みは常にアッシーで振り回され、クジの投資金は無論私の負担で、当てたものが更に自分のものにならないので、夫婦仲が急に冷め切りだしたのは言うまでもありません。

家内の欲望は果てしなく、私の能力の応用を毎日試行錯誤・・競馬、パチスロ、ルーレット、スロット・・しかーし、それらは透視能力よりも予知能力の分野・・当時予知能力に目覚めていない私にはクタクタガタガタの結果に終わりました。つまり・・賭け事に必要なのは予知能力で、透視能力では稼げなかったのです。

しかーし、家内の欲深さは限度しらずで、無い能力なら磨けばいいと、今度は能力を高めるパワーストーン、クラスタ、水晶振り子、ロッド、シンクロエナジャイザー、脳波コントロール機器、能力開発CD等、定期預金を叩いてまで浪費しました。

そんなこんなしているうちに、私に第三話の事件が起きました。そんな折、その事態を見て半狂乱になった母親が、私を精神修行の為に遠方に強制で行かせられてる留守中、それら高価な開発グッズは『おぞましい』の一言で全部焼却されてしまいました。

帰ってきたらなーんも無い・・それらを売却していくらかの足しにしようとしていたのにー。焼き機械と焼き水晶ではなーんにもならんです。

更に、この前後の精神的ショックでなのか罰なのか、私にこれっぽちの透視能力も無くなってしまったのです。家も、仕事も、家内も、子供も、財産も、自分の能力までも私を捨て逃げていってしまいました。何にも残りませんでした。後に残ったのは、県内のショップをはしごして、かなり沢山の三角クジが残っているのに三等以下しか無いものにしてしまった罪悪感と、借金と、怨恨とひんしゅくだけでした。

自分の金銭欲、我欲、性欲、物欲等から、自分の本来ある能力を過信し、自己利益だけの我欲に利用とすると、更に出費や運勢の低下を招いてとんでもない結末をもたらします。人間の欲望の恐ろしさを身をもって体感しました。

ですから、自己中心的な我欲に溺れ、他人に迷惑をかける愛の思いやりの無い恋愛欲、金銭欲、物欲と言う心の魔物は、自分の身の破滅を必ずもたらします。どうか皆様、私のこの失敗談を呼んで我欲が何も生まずもたらさず、破滅だけを生む魔物だとどうか気がついてください。自分を高め、人を高め、幸せを築くのはやはり愛の心でしか無いのです。
皆様、おまじないには人を大切にする『愛の心』を込めてやりましょうね。

また、そんな理由で私の透視能力は封印されてしまったままですので、もし霊視ご依頼の際は、霊視と予知のご依頼は可能ですが透視のご依頼はお受けできませんので深いご理解をお願いいたします。